会長 新年ごあいさつ(令和7年1月)

 会員各位

 新年あけましておめでとうございます。

 去年の1月1日に発生した能登半島地震から早1年が経過しました。
 この大災害により、当協会の会員も甚大な被害を被りました。
 能登地域(内灘町以北)の会員企業40社のうち、23社が甚大な被害を受け、うち、8社が先行きの見通しが立たず、更にうち、1社が倒産するという悲惨な状況(令和6年3月時点)でありました。
 その後、復旧が徐々に進み、事業再開への歩みに弾みがつきかかってきた頃、9月21日に発生した未曾有の大豪雨により、再び甚大な被害が発生し、心が折れそうになりました。
 このような二度にわたる大災害からの復旧に向けてご尽力をいただいてきた方々には、改めて感謝とお礼を申し上げます。

 「能登」にとっては、極めて悲惨な一年ではありましたが、全国から温かいご支援もたくさんいただきました。
 その一つは、震災直後、「何かお役に立つことはないでしょうか」とお声をかけていただき、金沢までおいでくださった(一社)食のみやぎ応援団様です。
 「企業は一日でも早く、少しでも売上げが立つ事業を再開することが、復興への道筋につながる」という、東日本大震災で得た教訓により、当協会の被災企業へ手を差し伸べてくださいました。
 まずは、お互いの連携によるコラボ商品を手掛けませんかということから、能登産の原材料と宮城・仙台の食材とのコラボ商品として、「牛タンのうま味噌漬け」、「タコ入りのモズク酢」が7月に、その後「のどぐろかまぼこ、加賀レンコンの入ったおでん」、「ホヤ色に近いロゼ(能登ワイン)」などが開発され、販売されております。
 8月21日には、当協会との間で、食における連携で新商品の開発等を目指して「包括的連携協定」が締結され、今後、より一層連携強化を図り、東日本大震災からの復興を果たした当応援団様の知見をいただきながら、当協会としても復興を目指していきたいと考えております。

 全国各地のスーパー、百貨店等での「能登支援フェア」の開催も実施されました。
 当協会としては「がんばろう!能登」シール運動を展開してきております。
 シールを1枚3円で購入いただければ、うち2円(1円は印刷費等)は、能登の食品関連団体への支援や能登の食文化を守るための支援に活用するというスキームの運動です。このメッセージを広く消費者の方々にご理解いただき、「がんばろう!能登」シールが貼られた商品を購入していただきたいと思っております。
 この運動は、会員企業はもとより、大手のスーパーをはじめ、全国各地のスーパー、団体等51社(令和6年12月現在)のご協力のもと、展開中でありますが、より一層、大きな運動として発展していくことを願っております。

 大災害からの復興を目指しながらも、一方、食品業界を取り巻く環境は厳しく、かつ、変化してきております。
 原材料の値上り、人件費の上昇、人手不足などが顕著になってきております。
私たちが製造、販売する商品についても、適切な利潤を確保するため、適切な価格改定への対応が、企業が存続するためには不可欠であります。

 また、石川県は「豊富で独自性のある食材」が強みであり、能登、金沢、加賀それぞれの地域で育まれてきた食文化に高い評価をいただいている事を今一度、しっかりと心に刻みたいと思います。
 「加賀料理を文化財にしよう」という動きがあることも私たちにとっては大きな励みになります。

 今回の大震災により、特に能登に大きな被害が発生し、能登の食材の供給が一時途絶え、そのことが、金沢・石川の食に大きな影響を及ぼし、石川の食は「能登」によって支えられていることを痛感いたしました。

 当協会としては、国内に向けては引き続き、地道な販路開拓・拡大に取組み、また、海外に向けても将来を見据えての商流の確保・拡大を目指した施策を石川県をはじめ、関係機関のご支援をえながら進めていきます。
 能登の食品産業への支援も当協会の役割として、しっかりと実行していきたいと考えております。
 今年は「復旧から復興へ」を合言葉に、会員同士が情報を共有し、行政等とも、しっかり連携しながら、この難局を乗り超えて行こうではありませんか。
 本年が皆様にとりましてよい年となりますよう、心より強く、強く、願っております。


一般社団法人石川県食品協会
代表理事会長 杉野哲也


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